tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

進化を試される資本主義

2009年03月06日 11時12分58秒 | 経済
進化を試される資本主義
 共産主義による国づくりは70余年の歴史的実験を経て結局破綻しました。富の平等な配分を目指して出発した、理想に燃えたものだったのでしょうが、現実世界では、結果的に全体主義、独裁体制になってしまうことがわかった結果でしょう。

 中国やベトナムは今でも形は共産党一党支配ですが、中身は、かつての共産主義国家とはまったく違います。改革開放(中国)、ドイモイ(ベトナム)が、国のシステムを作り変えた(進化させた)ために、破綻も崩壊もせずに、元気です。

 ところで、資本主義はどうでしょうか。かつて、資本主義の悪い面、つまり強い資本が弱い労働者を搾取して、不平等社会を作るという点を批判して社会主義、共産主義が生まれたわけですが、資本主義は、経済発展を促進しやすいという得意面を生かしながら、
 ・資本家に代わって 経営者を登場させるとか、
 ・社会主義の良い面である社会保障の充実や福祉国家の理念なども取り入れ、
適切に環境対応しつつ進化して、立派にサバイバルを果たしています。

 しかし、資本主義に、今また、新たな問題点が明らかになってきました。
 それは、広くいえば、オランダのチューリップやかつての南海泡沫会社、近くは日本の土地バブルも含む、いわゆる「バブル」の発生を繰り返す問題、もっと大きなものに限定して言えば、1929年のウォールストリートに発する世界恐慌、今回の2008年、アメリカのサブプライム問題に発する世界金融危機(経済危機も懸念される)といった、資本主義の根幹を揺さぶりかねない、資本主義に内在する問題点です。

 これらに共通している問題は、「実体経済の発展に活用される」のが本来の役割であるべき「資本」が、実体経済から乖離した独自の活動、「 カネでカネを作る活動」に狂奔することによって起こるようです。

 2回目の世界経済危機を経験した資本主義です、日本には先ごろのバブル経済の経験もあります。
ここいらで、資本主義も、また改めて、容易に失敗を繰り返さない資本主義に進化しなければならないのではないでしょうか。 そして、その方向は、今までの経験の中から、すでに見えているように思います。


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